2020年7月10日(金)より日本で公開された映画【バルーン -奇蹟の脱出飛行-】は、東西冷戦下の東ドイツが舞台。厳しい状況の中、西ドイツへ亡命しようと手作りの熱気球で脱出を試みた家族の実話をもとに描いたサスペンスドラマ。今回は映画【バルーン -奇蹟の脱出飛行-】のキャストやあらすじ、動画配信情報など見どころをたっぷり紹介していきます!


■映画【バルーン -奇蹟の脱出飛行-】の作品概要
- 原題・・・「Ballon」
- 製作年・・・2018年
- 製作国・・・ドイツ
- キャスト・・・フリードリヒ・ミッケ、カロリーヌ・シュッヘ、デビッド・クロス、アリシア・フォン・リットベルク、トーマス・クレッチマン
- 監督・・・ミヒャエル・ブリー・ヘルビヒ
- 脚本・・・キット・ホプキンス、ティロ・レーシャイゼン、ミヒャエル・ブリー・ヘルビヒ
■映画【バルーン -奇蹟の脱出飛行-】のあらすじ
なぜ、ごく平凡な家族は、世界が驚愕する脱出劇を成功できたのか!?
度重なるトラブル、迫りくる秘密警察(シュタージ)---
作戦のリミットはわずか6週間!
1979年、東ドイツ・テューリンゲン州。電気技師ペーターとその家族は、手作りの熱気球で西ドイツを目指すが、国境までわずか数百メートルの地点に不時着してしまう。東ドイツでの抑圧された日常を逃れ、自由な未来を夢見ていたペーターは、準備に2年を費やした計画の失敗に落胆の色を隠せない。しかし妻とふたりの息子に背中を押されたペーターは、親友ギュンターの家族も巻き込み、新たな気球による脱出作戦への挑戦を決意する。ギュンターが兵役を控えているため、作戦のリミットはわずか6週間。ふたつの家族は一丸となって不眠不休の気球づくりに没頭するが、国家の威信を懸けて捜査する秘密警察の包囲網が間近に迫っていた……。
■映画【バルーン -奇蹟の脱出飛行-】の動画配信情報
映画【バルーン -奇蹟の脱出飛行-】の動画配信情報は、分かり次第更新致しますのでお楽しみに!
■映画【バルーン -奇蹟の脱出飛行-】の登場人物・キャスト
フリードリヒ・ミュッケ(ペーター・シュトレルツィク役)
カロリーヌ・シュッヘ(ドリス・シュトレルツィク役)
デヴィッド・クロス(ギュンター・ヴェッツェル役)
アリシア・フォン・リットベルク(ペトラ・ヴェッツェル役)
トーマス・クレッチマン(ザイデル中佐 役)
■映画【バルーン -奇蹟の脱出飛行-】の時代・舞台背景
東西冷戦時代
映画【バルーン -奇蹟の脱出飛行-】の舞台は、東西冷戦時代である1979年の東ドイツ・テューリンゲン州。1961年の8月、東ドイツ政府は西ベルリンを遮断するためにいわゆる「ベルリンの壁」を作ります。後の1989年にこの壁が崩壊されるまで、東ドイツからの亡命者は後を絶たず、多くの逮捕者・死傷者が出る悲劇が繰り返されていました。冷戦下の緊張状態で多くの国民が厳しい生活を強いられていた中、政府が作ったその「壁」のせいで大切な人とのつながりを断ち切られてしまったのです。
秘密警察(シュタージ)の存在
映画【バルーン -奇蹟の脱出飛行-】でペーターたち国民を徹底的に統制し追い込んでいく秘密警察、通称「シュタージ」について、皆さんはご存知でしょうか?東ドイツのいわゆる諜報機関で、その徹底した国民への統制はソ連のKGBや第三帝国のゲシュタポをも凌ぐほどで有名です。国家に対し反体制的な態度や動きを取る国民を密告するシュタージ非公式の協力者がなんと全人口の1割も存在していたと言われています。
作品の逃亡劇は実話
映画【バルーン -奇蹟の脱出飛行-】は厳しい状況の中、西ドイツへ亡命しようと手作りの熱気球で脱出を試みた家族の実話をもとに描かれています。世界各国のメディアから「東ドイツからの華々しい逃亡」と称されたそれは、ごく普通の一般市民(しかもメンバーの半数以上が子ども)によって成し遂げられたという驚くべき事実だったのです。
■映画【バルーン -奇蹟の脱出飛行-】の見どころ
何が彼らに亡命を決断させたのか!?
抑圧された厳しい冷戦下で、手作りの熱気球で亡命を試みるなんてとても無謀な計画ですよね。しかし、本来人間の生き方や精神は誰にも何にも縛られるものではないし、政府が国民のことなど考えずに作り上げた「壁」は彼らにとって非常に屈辱的なものだったと思います。それぞれが本来尊重されるべき「自由」のために、半ば本能的にそういう行動に駆られたのかもしれませんね。日本で暮らしていると本当の意味での理解には苦しむ心情が痛いほどリアルに描かれているので、ハッとさせられる場面が多いと思います。
壁が隔てたのは国境だけではない
徹底的な監視下の下でその抑圧に耐えられなくなって多くの国民が西ドイツへ流入したことから、それを防ごうと東ドイツが作った「ベルリンの壁」。たった一つの壁が、両ドイツだけでなくヨーロッパ諸国、さらには世界各国の運命を変えてしまいました。その壁は越えようとする多くの人々を包囲し、罰し、傷つけました。その壁が隔てたのは領地だけという単純な話ではなく、人間の心の奥底を蝕む大きな傷を生み出してしまったのです。
家族の絆と勇気
ペーター達を見ていると、人間が持つ精神の強さがとても美しく感じます。この無謀な脱出計画は、失敗すればもちろん命の保障はありません。心に深く重くのしかかる闇のような恐怖を必死に家族で乗り越えようとする姿は、私たちの心に強いメッセージを送ってくれます。人間が屈してはいけないもの、大事にしなければならないものというような本当の意味での「プライド」を感じることができるのです。度重なるトラブルで「もうだめかもしれない」と精神的にもギリギリまで追い詰められても、決して諦めない姿に勇気をもらえます。


■映画【バルーン -奇蹟の脱出飛行-】どんな壁も、「絆」は分断できない
いかがでしたか?映画【バルーン -奇蹟の脱出飛行-】は、どんなに厳しい統制下にあっても自由や命は縛られないという希望のメッセージを届けてくれる素敵な作品です。平和な日本に暮らす私たちは、かつてこのような状況で懸命に生きていた人々がいたということを知るべきだと思います。空に飛んで行く熱気球に夢を託した家族の感動の物語を、ぜひ皆さんも観てみてください!
コメント