2017年公開のフランス映画【オーケストラ・クラス】。カド・メラッド主演で、音楽を通してヴァイオリニストと子どもたちが心を通わせる繊細なヒューマン・ドラマになっています。今回は映画【オーケストラ・クラス】のキャストやあらすじ、動画配信情報など見どころを紹介していきます!
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映画【オーケストラ・クラス】の作品概要
映画【オーケストラ・クラス】のあらすじ
バイオリニストのシモン・ダウド(カド・メラッド)は自分が理想とする音楽家としての活動ができずに悩んでいました。そんな彼に飛び込んできた、音楽教育プログラムの講師の仕事。パリ19区にある小学校で子どもたちにバイオリンを教えることになります。やんちゃで問題児が多く、普通にコミュニケーションを取ることも難しい中、思うように指導できない日々に自信を失うダウドでしたが、アーノルド(アルフレッド・ルネリー)という少年に光る才能を見つけ、ダウドは再び音楽と、そして子どもたちと向き合っていきます。目標とする演奏会は果たして成功するのか。純粋でまっすぐな子どもたちの感受性と音楽の素晴らしさが織りなす心温まる感動のハーモニーをぜひ楽しんでみてください。
映画【オーケストラ・クラス】の登場人物・キャスト

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映画【オーケストラ・クラス】の動画配信情報

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映画【オーケストラ・クラス】舞台となるパリ19区とは
この映画の舞台となっているパリ19区は、フランスの首都パリを構成する行政区の20区の一つです。20世紀半ばより多くの移民が定住するようになった区で、様々な人種の人たちが暮らしています。クラシック音楽界で誰もが憧れるパリ国立高等音楽・舞踏学校、いわゆるコンセルヴァトワールがある行政区として有名です。
映画【オーケストラ・クラス】はフランスに実在する音楽教育プロジェクトが構想のヒント

フランスに実在する音楽教育プロジェクト「DEMOS」
2010年にパリ・フィルハーモニー管弦楽団の音楽プロジェクトとして発足した「DEMOS」というオーケストラは、子どもたち一人一人に楽器を無料で贈呈し、参加費も無料で本格的な音楽体験をしてもらうというもの。定期的な練習を重ね、年度末にはコンサートホールで演奏します。まさにこの映画の構想のモデルとなったプロジェクトで、経済面を含む家庭環境に関わらず子どもたちが平等にクラシック音楽を体験できる非常に素晴らしい活動です。
本当の意味での文化的平等に挑戦したプロジェクト
音楽教育プロジェクトは世界中様々な国で行われています。クラシック音楽になかなか触れる機会の少ない人々のために、オーケストラ団体や音楽財団、音楽教育機関などが子どもたちや若い演奏家、シルバー世代に向けて多種多様な支援活動を行っています。しかしこの「DEMOS」のように無料で楽器を提供し、子どもたちに文字通り「平等に」音楽体験をさせてくれるものは大変貴重で、私もこの映画でプロジェクトを知りましたが本当に素晴らしいものだと思いました。こういった活動がもっと世界的に広がって欲しいものです。
映画【オーケストラ・クラス】の見どころ
主人公ダウドの挫折

バイオリニストとしてのキャリア
カド・メラッド演じるダウドはバイオリニスト。プロの音楽家として活動していましたが行き詰まり、自分の理想としていた演奏活動ができずにいました。実際クラシック音楽の世界で食べていくのは本当に厳しく、多くの演奏家が複数のオーケストラに所属し加えて自主的に仲間たちと演奏会を企画し各地を回っていることがほとんどです。自分の追い求める音楽活動と、現実的に食べていくための必要な音楽活動との間で悩むバイオリニストは少なくないのです。
演奏者としての理想と現実
しかしながら音楽とは感性が作り上げる芸術であり、純粋に楽しむことが実は何より大切な要素。ダウドは日々音楽と向き合う中でその純粋な心をどこかに見失っていたのかもしれません。彼のそういった葛藤は作品の中でもリアルに描写されていて、プロジェクトの講師として子どもたちにバイオリンを教えながら、自身の行き詰った音楽活動からの脱却を図ろうとする姿が何度か見られます。
子どもたちとの向き合い方に悩むダウド

問題児ばかりのクラス
音楽教育プロジェクトの講師としてダウドがやって来た小学校で担当したクラスの子どもたちは、一筋縄ではいかないやんちゃな問題児ばかり。まともに先生の話を聞くこともままならず、ダウドは初日から憂鬱になってしまいます。映画を観た時、子どもたちのあまりにもリアルなやんちゃぶりに私も「これって演技だとしたら子どもたち天才だわ!」と思わず苦笑いしてしまいました。
様々な人種や家庭環境の中で生きる子どもたち
子どもたちがお互いに言い合う言葉、よく聞いてみると日本の子どもたちの良い争いとはやはり違うことに驚きます。彼らは人種の違いを小さい頃から常に意識して生きているのです。差別的な意図は無いけれど、発言として“人種”についてイジる、というブラックジョーク的な発想は私たち日本人の感覚からすると少しびっくりですよね。そういった意味でも、この映画はぜひ子ども一緒に、親子や学校などで観てもらいた作品です。感受性の豊かな子どもたちが、他の国の子どもたちを見てどう感じるのか聞いてみるのもおすすめです。
音楽がもたらしてくれた本当の幸せ

徐々に心を通わせていくダウドと子どもたち
やんちゃな子どもたちと悪戦苦闘をしながらコミュニケーションを取るダウド。生徒の一人、アーノルド(アルフレッド・ルネリー)の才能に気付きます。音楽に対してひたむきなアーノルドとの交流をきっかけに、他の子どもたちとも心を通わせていきます。ダウドをはじめとする大人たちへ向ける子どもたちの目の表情がなんともリアルで、時に残酷なほどにまっすぐな感受性が垣間見えて作品に思わず引き込まれます。
演奏ツアーのつなぎとして考えていたダウドだったが…
プロジェクトの講師を務めながらも、本業である演奏家としての活動を諦められずにいたダウドでしたが、純粋に音楽を楽しみ、生きることに一生懸命な子どもたちと触れ合っているうちに、自身の心にも今まで抱かなかった感情が生まれていきます。音楽を通して、彼自身にとって本当の幸せとは何かが見えてくるのです。
子どもたちの心に芽生えた希望

純粋に音楽に触れ、楽しむ心
楽器を与えられてから、子どもたちはそれぞれ音楽とひたむきに向き合っていきます。自分が思い描いたように音が出なかったり、他の子どもたちよりも上手く弾けないことに悩んだり。それでも一人一人がダウドに背中を押され純粋に音楽を楽しむようになり、いつしか自分の家族や友達とも向き合い成長していくのです。
仲間との絆
言い争いが絶えずやんちゃばかりだったクラスにも、徐々にまとまりが出て来るようになります。音楽は言葉の要らない共通言語というだけあって、大人がうるさくお説教するよりも簡単に子どもたちの心を一つにしてしまうのです。演奏会に向けて自主的に練習し、お互いに苦手な部分を補い合って絆を育んでいきます。そしていよいよ演奏会当日。大好きな仲間と一緒に、音楽の喜びを分かち合う最高の瞬間が訪れるのです。
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映画【オーケストラ・クラス】響き合う音楽、素晴らしい人生!
この作品を観終わった後、心の中にじわじわと温かいものが広がっていく感覚がありました。大げさ過ぎず、フランス映画らしいとてもリアルな表現で描かれたヒューマンドラマに、とても良い印象を持ちました。実は私pecoも大学生の時に、プロのオーケストラの方達との演奏会にコーラスとして参加させて頂いたことがあります。大のクラシック音楽ファンとしてとても幸せな体験で、今でも鮮明にその感覚を覚えています。歴史を背景に緻密に築き上げられてきたクラシック音楽は楽器の音色がいくつも重なり合い、涙が出るほどの感動をその空間いっぱいに広げてくれます。何百年も前に作曲されたものが継承されて現代にも演奏されるということ自体がとても尊く素晴らしいものです。それはCDで聴くだけでは到底味わうことができない体験で、この映画に出てくる子どもたちも体いっぱいにその瞬間を味わいます。音楽に触れる喜びと、純粋に音楽や生きることを楽しむ大切さを教えてくれる映画でした。